CPAエクセレントパートナーズ様(以下、CPA様)は「CPA会計学院」「CPAラーニング」「CPAジョブス」など、登録者総数約80万人を抱える大規模な学習・キャリア支援プラットフォームを運営しています。
この記事では、CPA様がTC3が提供するIDライフサイクル管理基盤「Tactna」ならびに認証機能を提供する「Auth0」を採用した背景から、実現に至るまでの詳細を紹介いたします。
(1)背景・課題:レガシーからの脱却と、分断されたユーザー体験の統合
CPA様は、会計人材育成サービスの「会計学院」からオンラインでの受講サービス「CPAラーニング」、そして資格取得後のキャリア支援・採用をサポートする「CPASSキャリア」「CPAジョブス」など様々なサービスを展開しています。
登録者数が80万人に達する中、CPA様では、これまで個別に進化、最適化を進めていたそれぞれのサービス(CPA会計学院、CPAラーニング、CPAジョブス)を、一つのIDで利用できる「統合認証基盤」の構築を進め、ユーザー体験のさらなる向上やデータ活用の最大化、セキュリティ基盤の強化を実現する計画を掲げました。

そして、複数のサービスを一つのIDで利用できる「統合認証基盤」の核となるプロジェクトが立ち上げられました。同プロジェクトを牽引するのが、CTOである小川敏一氏です。
(2) 解決策:Tactnaの「ID統合モジュール」で移行の壁を突破
CPA様において「会計ファイナンス人材のインフラ」というビジョンは当社における重要な実現目標であり、その核となる統合認証基盤の導入は、目標達成から逆算すると年度内に完了させるべきであるというゴールを設定しました。
フルスクラッチでの開発はコスト・期間ともに膨大になることが予想されました。そこで同社が選択したのは、グローバル標準の認証基盤「Auth0」と、その上で柔軟なユーザー属性管理とユーザー向け管理画面を提供する「Tactna」でした 。これらのプロダクトは主に以下の理由で採用されました。
■Auth0を採用した理由
- グローバル標準に則った認証機能:OpenID ConnectやOAuth2.0などの標準にデフォルトで準拠しており、他要素認証(MFA)やパスキー認証などにも常に追随している。
- セキュリティ機能:パスワードの暗号化や漏洩対策などグローバル水準で強固な対応が実施されている
■Tactnaを採用した理由
- スクラッチ開発要素を極小化:ユーザーのライフサイクル管理や、ユーザー自身によるプロフィール編集、パスワードリセットなど、ユーザー向けに開発する要素も含め、スクラッチで開発するような機能を「Tactna」の標準機能を使い実現できる
- ID統合モジュール:ユーザーが旧IDから新IDへの移行を支援する画面、およびバックエンドのID管理フル統合フローを「ID統合モジュール」として提供。
■実現のイメージ図

■移行対応
プロジェクトにおける最大の難関は、既存ユーザーの移行と名寄せでした。
本プロジェクトでは以下のような観点で統合を進めていきました。
- 統合のパターン化: 「共通IDを既に持っているか」「各サービスの利用履歴があるか」といった複雑なマトリクスを整理し、ユーザー自身で共通IDへの統合が行える「ID統合モジュール」を開発しました。
- 受講生番号の継承: 既存ユーザーが慣れ親しんだ「受講生番号」をカスタム属性として保持し、ログイン識別子として利用可能にすることで、利便性を維持しました 。
- 段階的リリース(Phase1 & 2): 8月末のプレビュー版リリースを経て、10月にPhase1(CPA会計学院)、11月にPhase2(CPAラーニング・CPAジョブズ)と、確実にステップを踏むことで大規模移行のリスクを最小化しました 。
移行に際しては、Tactnaが提供する「ID統合モジュール」の画面ならびにバックエンドロジックを活用して、プロジェクトを進めました。

(3)成果:数値が証明する導入の価値
プロジェクト起案時には、ユーザー向けの管理画面やID統合のための各種要件定義・設計で膨大な開発費用がかかる想定がありました。しかし、今回TactnaならびにAuth0を採用することにより、約5ヶ月で約80万人規模のユーザーID統合を進めることができました。今回のプロジェクトにおいて、以下のような内容が主要化導入効果として現れています。
- コスト効率:スクラッチ開発の見積もりと比較し、約3分の1の初期コスト(2/3削減)
- 圧倒的なスピード: 通常1年前後かかる大規模統合を、約半分の期間(50%向上)で完遂
- ユーザー利便性の確保:Tactnaの過去実装レファレンスを活用し、メールアドレスに加え、従来の「受講生番号」でのログインをサポートした。
(4)今後の展望・お客様からのコメント
CPA様は本基盤を「会計ファイナンス人材のインフラ」の核とし、会計ファイナンス人材の皆様に更に価値の高いサービスを提供することを目指されます。Tactnaとしても、このようなユースケースに応えられるような機能を提供していきたいと考えています。
「登録者約80万人を抱えるプラットフォームとして、ユーザー体験のさらなる向上やセキュリティ基盤の強化は最重要事項のひとつでした。
当初はフルスクラッチでの構築も検討しましたが、TactnaとAuth0の組み合わせを選択したことで、コストを3分の1に抑えつつ、スクラッチ開発では考えられない『半年』という短期間でリリースすることができました。特に、既存ユーザーを安全に統合するTactnaの『移行モジュール』の存在は、技術的な不確実性を排除する上で極めて重要でした。
共通IDという強固な土台が整った今、私たちはAIエージェントの提供やデータを活用したユーザー体験の充実による次世代のサービスの提供へ、よりリソースを集中させることができます。TC3は、当社のビジネススピードを技術面から最大化してくれる、信頼できるパートナーです。」
―― CPAエクセレントパートナーズ株式会社 CTO 小川敏一 氏
おわりに
今回、約80万人規模のユーザーが日々使うウェブサービスや今後クロスユースを促したいサービスを1つのIDでログインして利用してもらうという大きなステップとなりました。TactnaやAuth0を利用することにより、導入のスピードは高まりました。TC3では、今後本基盤の運用に携わっていく中でIDに関わる業務領域へ貢献できるよう、努力していきたいと考えています。
Tactnaについて
Tactnaは、複数サービスの展開、B2Bサービスの展開におけるアイデンティティ領域のコントロール機能を提供するカスタマーエンゲージメントハブです。グローバルの標準に準拠した認証認可機能を内包し、B2Bに必要とされる組織概念の実装が可能です。
また、サービス展開に必要となるユーザー向け、業務向けの管理画面を提供し、柔軟な要件にも対応可能で様々な業態にご利用頂けます。Tactnaを活用することで、セキュアかつユーザー体験の高い機能をスピーディに実装すると同時に、業務効率化を実現することが可能です。
Tactnaについての詳細は以下URLよりご確認ください。
https://tactna.com