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はじめに:なぜ今FDEなのか?
生成AI時代、SaaSは単なる「ツール」から、「業務そのもの(System of Work)」へと進化しています。一般消費者向けには多大な威力を発揮していますが、エンタープライズへの適用となると業務や業態などのコンテキストをしっかりと実装できなければ、AIが使い物にならないということなのです。
Andreessen Horowitz(a16z)の記事「Trading Margin for Moat」では、そのような変化を支える職種として、Forward Deployed Engineer(FDE)の重要性が取り上げられていました。OpenAIはもちろんのこと、Palantirなど様々な企業でこの職種の重要性が高まっているようです。
FDEは、単なる実装エンジニアではありません。顧客の業務に深く入り込み、業務プロセス・システム連携・ユーザー体験までを設計し、AIやSaaSの力を現場で使える価値へ変換する役割を担います。前述の記事では、このロールの存在が、SalesforceやServiceNowなどの競争力(=Moat(堀))を築くことができたというのです。
Salesforce、ServiceNow、Workday が成功を収めたのは、かなりの量の実装作業を行ったからです。エンタープライズ AI 製品は、深い統合とコンテキストを必要とするため、さらに顕著な実装要件があります。この複雑さを乗り切るために、サービス組織は、AI アプリケーションを社内データベース、API、ワークフローに安全に接続するという重労働を処理し、モデルが価値を提供するために必要なコンテキスト(履歴レコード、ビジネスロジックなど)を確保します。
ー https://a16z.com/services-led-growth/ の一部分を機械翻訳
上記の引用にあるように、AI時代においては「業務のコンテキスト」こそが競争力の源泉となります。a16zの記事については、事業開発担当の中村が解説資料を作りましたので参考にしてみてください。
TC3が挑む「業務の基盤=System of Work」づくり
私たちTC3が展開するID&アカウント管理基盤「Tactna」は、OktaやAWS CognitoといったIDaaSの補完を超え、顧客ごとに最適な「ID体験・データ活用設計」をカスタマイズできるプラットフォームです。(Tactnaに関してはこちら)
SaaS企業やエンタープライズでは、単にログインできることよりも、 「誰が・どの会社で・何に合意して・どう行動しているか」といった情報を、業務全体の中で捉える仕組みが求められています。
この“System of Work”を構築するためには、単にプロダクトを導入するだけでは足りません。 顧客ごとのビジネス要件を理解し、実装・連携・改善に並走できる「FDE的な存在」が必要で、これを競争力の源泉にしたいと考えています。

FDEが担う具体的な役割とは?
TC3では、上記のようにAI時代において顧客向けの導入支援エンジニア(FDE)の重要性が示唆される中で、FDEというポジションを新たに設けました。FDEはこんな仕事をすると考えられます(まだまだ挑戦の道半ばですので、メンバーで知恵を出し合いながらロールの定義をしている最中です):
- 顧客の既存業務プロセス(CRM連携、課金・決済、契約管理、ユーザー承認フローなど)の理解と設計支援
- API連携やIDデータ移行の設計・技術サポート
- UX観点での「同意管理」「ID登録画面」「組織管理機能」などのカスタマイズ提案
- 顧客内の業務推進チームとの並走、利用定着支援
- 利用ログやフィードバックをもとにした継続的改善提案
重要なのは、「技術力」だけでなく、顧客の業務を観察し、課題に共に向き合える力です。
営業(BizDev)は「勝てる現場」をつくる戦略担当
Andreessen Horowitzの記事にはBest Practiceの1つとして「Sell Smart」が挙げられています(上述の図を参照)。単に営業活動を始めようという話ではありません。それは、「誰に、どのタイミングで、どんな価値を届けるべきか?」を見極め、FDEが本領を発揮できる現場を設計するという、極めて戦略的な仕事です。
私たちTC3では、ID&アカウント管理基盤「Tactna」の導入において、単にプロダクトを売るのではなく、顧客の業務課題を解像度高く読み取り、“入り口の突破口”を見つけることがBizDevの役割だと捉えています。
FDEが業務に深く入り込み価値を実装していくためには、その前段階で「この現場なら価値が届く」という確信あるアプローチが不可欠です。

おわりに:FDEとBizDevは、未来のSaaSの中核職種
PLG(プロダクト主導成長)が注目されてきた過去10年ですが、
生成AIの時代には「導入支援」「業務への実装」こそが最大の差別化ポイントです。
私たちTC3も、“業務の入口=ID”を握ることで、未来の業務基盤を作る挑戦を続けています。 その中でFDEとBizDevは、単なる役割を超えて、事業成長の最前線を担う存在です。
あなたの知見と実行力を、私たちと一緒に未来の「System of Work」へ注ぎませんか?
📩 採用情報はこちら →(https://www.tc3.co.jp/hiring-open-positions/)
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