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はじめに

2020年末のDXレポート2公開後(参考記事)、多くの企業がテクノロジーを活用した社内の業務の効率化だけではなく、顧客向けに価値創造をするためにテクノロジーを活用するようになってきています。単なる効率化だけではなく、ビジネスモデル自体をまさに変革しようとしている企業が出てきていると言えます。

一方で、「テクノロジーを活用する」ことに意識が引っ張られてしまい、内発的動機で何かを進めようとするインサイド・アウトな思考に陥ってしまうことも多々あります。スタートアップの生存率は、創業から5年後は15.0%と言われていることから、ビジネスアイデアの生存率はそれより低い可能性があります。超大企業であれば、10回打てばなんとかなるという考え方もできるかと思いますが、そういった企業はごく僅かでしょう。

リーンスタートアップを含めて新規事業の立ち上げを考えるフレームワークはいくつかありますが、新規事業を多く開発し、成長・成功させているリクート社が採用する「リボンモデル」についてご紹介いたします。

こんな方におすすめ

  • 2つのペルソナ向けのマッチングサービスを検討されている方
  • 新規事業の事業アイデアを精緻化したい方

リボンモデルとは

リボンモデルとは、リクルート社がビジネスモデルのコアに据えている、リクルート社のコアコンピタンスとも言えるかと思います。リクルートホールディングスのウェブサイトでもリボンモデルについて簡単に紹介されています。

就職・進学・住宅・ヘアサロン・レストランなど、必要な情報を求める個人ユーザーと企業クライアントが出会う場を作り出し、より多くの最適なマッチングを実現することにより双方の満足を追求すること。これが、リクルートグループが創業より大切にしビジネスのエンジンとして活用してきたビジネスモデルです。このマッチングの仕組みをリボン結びの形になぞらえて図式化し「リボンモデル」と呼ぶようになりました
ー引用元:
リクルートホールディングスウェブサイト

また、2017年に出版された、このリボンモデルを詳細に解説する『リクルートのすごい構”創”力』の冒頭では以下の説明があります。

リボンモデルは、様々な目的で使われる。対象のビジネスがどれくらいのポテンシャルを秘めているのかを見極めるためにも使うし、事業を成功させるうえでクリアするべきポイントは何かを探し、進むべき未知を探索するための”海図”としても使われる。リクルートでは、新人から経営幹部に至るまで、ありとあらゆる部署や役割の社員がこのモデルを深く理解していて、日常的に活用している。

ーp36

上記の引用からわかるように、リボンモデルとは、リクルート社が創業時より蓄積してきたナレッジであり、フレームワークであるということができます。リボンモデルは、カスタマーとクライアントという2社をマッチングさせるために、各ステージ毎のペルソナに喚起したい行動や施策、KPIなど詳細のチューニングから、全体的な俯瞰図を把握するためのものです。以下の図がリボンモデルのコアになる図です。

リボンモデル概要図

みていただくとわかる通り、つなぎ合わせるペルソナ毎に、「集める」「動かす」「結ぶ」の3つのフェーズ(ファネルとも言いかえられると思います)が設けられています。それぞれのフェーズで何を施策として打ち出すことで、「集める」=集客できるか、集客後はいかに「動かす」=変換する施策を打つかを明確にすることができます。

『リクルートのすごい構”創”力』ではいくつかリクルート社の事例が挙げられていますが、ゼクシィの例で筆者の理解で以下のように整理をしたものが参考になるかと思いますので、ご参照ください。

それぞれのフェーズで仮説検証を進めながら、臨機応変に施策内容やKPIを変更していくことも、リボンモデルを運用する上で重要なポイントとして挙げられており、ゼクシィの場合だともともとは「直接式場へ連絡」をKPIとしていたものを「ブライダルフェアへの来訪」に変更したりしています。これは次のフェーズ「結ぶ」への変換率(Conversion Rate)が低かったからと考えられます。このように、前後のフェーズの施策、アクティビティに関するデータを照らし合わせながらチューニングすることが重要です。

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その他のメソッド

『リクルートのすごい構”創”力』では、リボンモデルを中心としながら新規事業をイチから立ち上げ(0→1フェーズ)、その後成長させていく(1→10フェーズ)について様々なメソッドが紹介されています。詳細は本書を読んで頂くと事例も含めてわかりやすいかと思いますので、こちらでは割愛いたしますが、以下にメソッド一覧を紹介いたします。

■3つのステージと9つのメソッド

ステージ1:「0→1」。まだ存在していないモデルを生み出すステージ

  • メソッド①不の発見
  • メソッド②テストマーケティング
  • メソッド③New RING

ステージ2:「1→10」の前半。事業の「価値」を定義し、「勝ち筋」を見つける

  • メソッド④マネタイズ設計
  • メソッド⑤価値KPI
  • メソッド⑥ぐるぐる図

ステージ③:「1→10」の後半。爆発的な拡大再生産につなげる

  • メソッド⑦価値マネ
  • メソッド⑧型化とナレッジ共有
  • メソッド⑨小さなS字を積み重ねる

さいごに

リボンモデルは、2つのペルソナをつなぎ合わせるようなマッチングサービスを検討する際に特に有用かと思います。リーンスタートアップの実践入門書である、『Running Lean』(紹介ブログはこちら)では、海賊指標(AARRRモデル)というものもあり、考え方はこれに近く、マーケティングにおけるAIDMAモデルを中心としたファネル型の考え方のようにどのように見込み顧客を顧客にしていくか、というものとほぼ同じかと思います。

ただリボンモデルで出てくるのは基本的には、「集める」「動かす」「結ぶ」の3つの観点であるので、非常にシンプルに整理することができ、関係者同士で認識を合わせる上でも認知負荷が高すぎずよいでしょう。

新規事業を検討されている方がご利用できるように、リボンモデルをベースにしたエクセル用のテンプレートも準備いたしましたので、ご自由に利用してみてください。

リボンモデル シート

ダウンロードはこちら

※直接エクセルファイルがダウンロードされます

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