TopcoderとKaggleの違いとは?トップ画像

本記事は5分程度でお読みいただけます。

はじめに

このブログ記事は、Topcoder社が運営するブログの翻訳記事です。TC3株式会社はTopcoder社の日本で唯一のプレミア・パートナーであり、Topcoder社より許可を得て日本語に翻訳した記事を掲載しています。

 

英語での原文記事はWHAT ARE THE DIFFERENCES BETWEEN TOPCODER AND KAGGLE? をご確認ください。

 

AI/機械学習、データサイエンス領域で近年Kaggleに参加する企業や個人が増えています。また、多くの企業にてKaggle Masterの取得を目指すなどの傾向があります。Topcoderは2001年からスタートした競技プログラミングプラットフォームで、既に20年ほどの歴史があります。Topcoderでは、コンテスト形式でデータサイエンス関連エンジニア、ソフトウェア開発エンジニア、デザインエンジニアがコンテストで求められる成果物を開発し、企業にその成果物を提供しています。

TC3株式会社は、Topcoder社とのプレミアパートナーとして、2016年よりデータサイエンス領域におけるグローバル人材との共創を積極的に行い、国内企業様のデジタルトランスフォーメーションのご支援をしております。今回は、KaggleとTopcoderの違いについてTopcoder社のブログ記事を翻訳しご紹介したいと思います。

 

TopcoderとKaggleの違いとは?

私達は頻繁にTopcoderとKaggleのようなプラットフォームの違いについて説明することを求められます。最近、Topcoder社のアナリティクス&AI事業部の事業部長であるAndy LamoraがQuora(訳注:Q&Aサイト)において、「TopcoderとKaggleの主要な違いはなんですか?また、そのようなプラットフォームではどのようにデータセットやオンデマンドの人材を活用しているのですか?」という質問に対して洞察力のある回答をしました。

では、何がTopcoderとKaggleの違いなのでしょうか?

 

”Topcoderモデル”を一言で説明すると

Topcoderはオンデマンド人材コミュニティとして、”フルスタック(一気通貫)のデジタルな成果”に焦点をあて、2001年に創始されました。言い方を変えると、Topcoder(に参加するエンジニア)のスキルは多くの基礎をカバーしている、ということです。私たちは、ものすごく拡張可能なデザイン、開発、データサイエンス、そして品質保証(QA)を提供しています。最近では、才能アズ・ア・サービス(Talent as a Service / TaaS)と銘打ち、エンタープライズ企業と官公庁がトップ人材の力を得ることを支援しています。私たちはたしかに、大きく拡張でき、グローバルの問題を解決できる最新かつ最先端のソリューションに目を向けていますが、実世界の問題のためのバイト単位の結果を提供しています。たとえば、進行中のNASAやハーバード大学へのサポートのように革新的なものもあれば、毎日のようにTopcoderの人材コミュニティに提供する何千何万もの中小ビジネスの課題も解決しています。

 

Kaggleを一言で説明すると

2010年に設立されたKaggleは、データサイエンス領域におけるコンペティションに焦点を当てており、公開できるデータセット、Jupyter Notebookの環境、そしてデータサイエンティスト向けの教材が提供されます。Kaggleの得意領域は、大規模なプロジェクトです。Kaggleはまたデータサイエンスの学習コースを提供しています。実際、私たちは、オンデマンドな仕事を検討している人材の方には、Kaggleにアクセスしそれらの学習コースにサインアップすることをおすすめしています。

 

たくさんの類似点

●TopcoderとKaggleは双方ともにエンタープライズ企業及び官公庁/地方自治体のデータサイエンス領域の問題を解決することを支援しています。双方ともに、コミュニティに優秀な人材が所属しています。また、コミュニティメンバーにはTopcoderとKaggle両方に参加するメンバーがいます。チャレンジが丁寧に記載されていれば、KaggleでもTopcoderでも同等の結果が得られることでしょう。

 

双方ともにテクノロジー企業として創業されています。Kaggleの親会社は数十億ドル規模の検索エンジンを主体とするGoogleです。Topcoderの親会社は数十億ドル規模のIT企業です。両社の資金力により、KaggleとTopcoderはグローバルの課題を説いていく際に必要となる、安定的なプロジェクトとリソースへアクセスすることができます。

 

●双方ともにメリトクラシー(能力主義)で運営されています。秀でた人材は上位に現れてきます。KaggleとTopcoderはオンデマンドに人材を活用し、信じられないほどよい結果を提供します。格付け(Rating)の機能、体験、そして能力が2つのプラットフォームともに重要です。

 

双方が幅広さを持ち合わせています。TopcoderはNASA、Microsoft、T-Mobil、アメリカ特殊作戦群(USSOCOM )、SpaceNet、それ以外にも数千に及ぶ公共機関、民間企業などを支援しています。Kaggleは同様に主要な公共機関や民間組織において成功を収めています。

 

異なる点

TopcoderはTalent as a Service、 QA(品質保証)、などビジネスに焦点をあて、成果物志向なサービスとして、Kaggleと比較して幅広い人材サービスを提供しています。

 

Topcoderでは、商業向けのチャレンジや課題をそれなりの量、提供することで、人材に追加の収入の機会を与えることができます。

 

Kaggleでは、学習用コンテンツやコースを受講することが可能です。

 

KaggleはJupyter Notebookとデータベース一式が提供されます。

 

結論

Kaggleは、学習用コンテンツやコース、そしてJupyter Notebookやデータベース一式が提供され、Topcoderと似たような実力主義で運営されています。Kaggleはデータ一式、コース、データサイエンスに焦点をあてています。

Topcoderは革新的なデータサイエンス、商業ソリューション、Talent-as-a-Serviceのような成果志向のサービスに焦点を当てています。Topcoderの主要な焦点は、単純に高度な機械学習アルゴリズムの開発や、小さな規模の解約分析ではなく、デジタルな成果物をすべての企業や公共機関へ提供することです。私たちの努力は実際に触ることのできる価値を、スケーラブルな人材を求めるあらゆる商業企業や公共機関に対して提供することに焦点を当てています。

 

おわりに

TopcoderとKaggleはコンテストという形態や、社会課題などを群衆の知が解決できるというビジョンの元で作られており、共通部分が多いということが本ブログ記事で理解できたかと思います。AI/機械学習などのデータサイエンス領域においては、日本では人材育成の意味合いも含めてKaggleが使われていると思いますが、企業が持つ難題を解決できるコンテストの開催も徐々に増えてきています(TC3が関わったコンテストの一部はこちら)。日本におけるTopcoder参加者数は2万人と言われており、中にはトップクラスのレーティングを持つ方もいらっしゃいます。そのような方の秀でた力にアクセスできる、TopcoderとKaggleのちからは今後ますます重要視されるのではないかと考えます。

 

TC3はデータサイエンス領域で、アルゴリズムの品質向上や人材不足といった背景からご支援を多くのお客様に実施させていただいております(事例紹介ページ)。グローバルの群衆の知とともに、スピーディに難題を解決していきたいと感じられた方がいらっしゃいましたらぜひお問い合わせください

 

TC3について

TC3はTC3はクラウド基盤、データサイエンス、ブロックチェーンなどの先端技術、そしてウェブ・モバイルアプリケーションの4つのテクノロジー領域に対して、グローバル開発者コミュニティであるTopcoderをはじめとしたGigを活用した独自の共創プロジェクトマネジメント手法により、お客様のクイックウィンを実現するための技術コンサルティングサービスを提供しています(Topcoderサービスについて, 独自の手法GigAgileについて)。

 

キャッチ画像は NASA on Unsplashを活用させていただきました。