第2回 ”Gig”abyte:国内海外の事例を通してクラウドソーシングの力を語る (代表取締役:須藤義人)

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2020/12/23

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”GIG"ABYTEロゴ

はじめに

こんにちは!TC3の中村です。

前回、ブログシリーズ”GIG”ABYTEの第1回ということで、代表取締役の須藤にTC3立ち上げの経緯をインタビュー致しました。なぜGIGに注目したのか、クラウドソーシングの魅力などを感じられたのではないかと思います。もしもまだ読んでない方は、第1回の方も合わせてお読みいただければと思います。

 

さて、今回は前回の記事であまり深堀りしきれなかった、Topcoderについてインタビュー形式で迫っていこうと思います。

 

―――インタビューここから―――

 

TC3 マーケティング 中村(以下、中村):須藤さん先日はインタビューありがとうございました。前回のブログ記事すごくアクセスが来ていて嬉しい限りです!

TC3 代表取締役 須藤義人(以下、須藤):そうなんだ!よかった。なかなかこういった形で発信できていなかったので、こういう形で継続的にメッセージを出していきたいと思っているよ。

 

Topcoderのパワーを実証したNASAのプロジェクト

中村ありがとうございます。それでは、早速ですが、前回の記事でTopcoderについて深堀りしていきたいというように勝手ながら宣言してしまいましたので、Topcoderについてのお話をお聞きしたいと思います。

須藤:了解!どのあたりからはじめたらいいかな?

中村そうですね。Topcoder社が競技プログラミングの領域からエンタープライズ向けソフトウェア開発の領域にどのように広がっていったのか、という素朴な疑問があるのですが。

 

須藤なるほど。2010年代前半だったと思うのだけれど、当時はエンタープライズ企業でTopcoderを活用してソフトウェア開発をしているという事例はかなり少なかったのですよね。当時は何をやっていたかというと、NASAのあるデータサイエンス領域のプロジェクトでTopcoderが使われていたりハーバード大学のKarim R. Lakhaniが、こうしたプロジェクトを元にクラウドソーシングの意義を調査したという話があります。

 

そこではある企業が開発したアルゴリズムが元々あったのだけれど、それと同じ課題をアルゴリズム開発を行うというお題でTopcoderでのコンテストを開催してどのような結果が現れるか、というのをある意味実験をしていたようです。

 

そこでの成果がすごくて、例えば一つのコンテストには4000人が登録し、500人近くが実際のコンテストでコードを提出、そして、結果2,100件の成果が提出されました。その2100件の成果の半分近くが、当初ある有名な航空機産業企業の専門家が開発したアルゴリズムよりも評価の高いアルゴリズムを開発したという結果が出るなど、専門家を凌駕する成果をこれでもかとの勢いで出していました

 

この話を聞いたときに、クラウドソーシングのパワー、あるいは、個人のパワーってすごいなと純粋に感じました専門家と呼ばれるような人の成果を、その専門領域で上回るなんて今までそういったことを発揮できる場自体がなかっただろうし、専門家が正しいなどと思っているといった固定概念を覆された感覚でしたね。

 

中村なるほど。前回のお話で、”自分のコードを邪魔しないようなきれいなコードを書いてくれた”と仰っていた部分と重なりますね。

 

須藤まさに、そうです。

事例としてはNASAだったり今もTopcoderのウェブサイトに行くとデータサイエンス系の事例が多く掲載されていますが、”ある一つの課題を解決するためのアルゴリズム開発”のようにコンテストのお題にしやすいという側面もあって、特にデータサイエンスの領域ではTopcoderの成果が出やすい領域だと今でも感じています。

 

また、「Topcoderには天才がいるから成果が出るのか?」などのご質問をいただくことがありますが、私はそうではないと思っていて、個人がこのような公平に評価されるコンテストで競争をすることで、個人の力をより発揮することができる、すなわち結果的には群衆の知としての側面があるから、品質の良い成果が出てくるのだと考えています。

最高品質の個人の力を出すために人事評価システムやマネジメントを変えていくということもできると思いますが、一足飛びに実現するものではないですし、おそらくエンジニア個人の力を最大限発揮できる仕組みがあるのは、GAFAなどのような企業のみになりつつあるのではないでしょうか。そういった意味で群衆の知はGAFAなどのビッグジャイアントなデジタル企業と戦っていくための代替策だと言えるのではないかと考えています

 

データサイエンス/アルゴリズム開発の事例について

中村確かに最近どんどん優秀なエンジニアはGAFAに吸収されていくみたいな話をよく聞いたりしますね。日本国内のIT人材戦略の一つとして、クラウドソーシングを活用することを考える企業が今後増えて行くかもしれませんね。

話が変わりますが、国内でもデータサイエンスなどの領域がやはり実績としては多いのでしょうか?

 

須藤国内でも同様にデータサイエンス系のプロジェクトをご依頼いただくケースが多くありますね。課題としては、「データが蓄積されているのだけれどある課題についてのアルゴリズムを開発したい」ですとか、「社内や関連会社で開発したアルゴリズム開発を評価したい、あるいは開発したアルゴリズムを超える品質のものがほしい」などの背景でお話いただくことがありますね。

 

具体的には2019年には、事例として公開させていただいておりますが、富士通様とご一緒させていただいた、組合せ最適化問題を高速に解いていくコンテストを開催したり(参考)、2020年には日立製作所様との、時系列データに対する自動ラベリングアーキテクチャ/アルゴリズム募集コンテスト」(参考)などでデータサイエンス関連のプロジェクトを支援させていただいています。

 

データサイエンスの領域は、評価関数を使うことで、公平にスコアリング(点数付け)ができるので、コンテストに非常に向いていると言えます。また、マラソンマッチと呼ばれる何度でも成果を提出することができるコンテスト手法は、参加者自身が何回もチャレンジするうちに新たなアイデアが生まれ、その中でいいものが出てくるという側面があります。リアルタイムにスコアリングも反映されますので、それにより、また競争心が駆り立てられるというのもあると思います。

 

エンタープライズソフトウェアへの適用は?

中村エンタープライズソフトウェアあるいはクラウドネイティブなソフトウェアについてはどうでしょうか?

須藤エンタープライズソフトウェア開発でTopcoderのようなコンテスト形式を利用する課題は、正解が何かがわかりにくい、という点ですね。機械学習のアルゴリズムなら評価関数でスコアリングができますが、エンタープライズソフトウェアは要件は明確でもそれ以外の評価基準が作りにくかったりします。

 

エンタープライズソフトウェアにおける開発でもきっとギグの力は発揮されるはずだと創業当時から信じていて、その領域を日本国内で広めていきたいと思い過去数年に渡り様々なお客様とご一緒させていただきました。

 

エンタープライズ企業の領域でよくご一緒する案件のテーマとしては、デジタルサービスを開発するための技術としてクラウドネイティブな技術だったり、マイクロサービス/APIなどの領域です。この領域でもTopcoderのスキルあるエンジニアと共に、難易度の高い機能の開発をひじょうに早いスピードで開発していっています。

 

デジタルトランスフォーメーションの文脈でもクラウドソーシング/ギグが活用されはじめている

中村やはりデジタルトランスフォーメーションの文脈で最先端の技術を活用していく中で、そのような要件があり、そしてTopcoderなどのギグエンジニアもうまく組み込みながらプロジェクトを進められているんですね。

須藤はい。ただまだまだ課題はたくさんあって、エンタープライズソフトウェア開発にはDevOpsツールチェーンのように効率的に開発するプロセスやツール、ツールによる自動化がまず第一に必要であって、更に、その開発パイプラインの中でギグとのコラボレーションを入れていくことが必要だと感じました。

 

その流れで、プロセスやツールをまずはTC3社内利用で開発を進めて過去数年間でブラッシュアップを続けました。

 

プロセスをGigAgileと呼んでいて、以前中村さんがブログ書いてくれたのが概要だけれど、より詳細のプロセスが内部にあり、アジャイルやスクラムのような知見・方法論をベースに日々変更を加えながらよりお客様にあったものをエンハンスしています。

 

また、ツールについてもα版としてある大手メーカー系のお客様など複数のお客様でのプロジェクトで使って頂いたものをベースに、他のお客様でも利用いただけるものとして、「GigOps プラットフォーム」の開発を進めました。最近ですがより広いお客様向けにご提供するようなっています。

 

中村:お、なんだか今日は素晴らしいオチまでスムーズにいったようです。このような過去積み上げて来られたプロセスやツールをより多くのエンタープライズ企業や官公庁などのお客様にご利用いただき、イノベーションやデジタルトランスフォーメーションの実現をサポートいていきたいですね。

 

須藤ありがとう(笑)。そうですね、もちろんエンタープライズ企業の皆様のイノベーションの実現、11月にDX支援サービスをリリースいたしましたが、TC3に何か引っかかる部分を感じた方はぜひ一度お問い合わせいただきたいと思っています。

また、ギグワークを行うエンジニア側も自由な働き方、例えば副業であるとか、お子様の面倒をみているので好きな時間に働きたい、などの実現も積極的にサポートしていきたいと考えています。

あ、そう言えば最近こんなのを作ったのを思い出しました。

中村:なんですか???

須藤:じゃーん(笑)。

 

中村:GIG INNOVATED.?

 

須藤:そう。今回2回に渡ってインタビューしてくれたけれどもその中でも何度か伝えた通り、エンタープライズ企業のお客様のイノベーションを支援すること、同時にギグの皆さんの働き方を変革していきたいというビジョンをシンプルな言葉にあらわしてみたのがこの”GIG INNOVATED.”です。これからも、より多くのお客様・関わるコミュニティみんなに感動を与えていければなと考えています。

 

中村:いいキャッチフレーズだと思います!そしてデザインもいい。

おっと、そろそろ1時間経ってしまうようです。須藤さん今日もお時間いただきありがとうございました。次回のネタはちょっと考えさせてください。もしかしたらゲストを呼んでもいいかもしれませんね。

 

須藤:今日はうまくまとまった気がするなあ(笑)。ありがとうございました。新しいデジタルサービスの作り方を作っていきましょう。また次回もよろしく。

 

おわりに

最後までお読みいただきありがとうございます。いかがだったでしょうか?Topcoderの個人の力がデータサイエンス/アルゴリズム開発のような領域から、エンタープライズソフトウェアの領域まで広く活用されていることが理解いただけたのではないかと思います。

 

TC3ではDXを推進しているお客様向けに『デジタル化支援サービス』をご提供しています。『デジタル化支援サービス』については、ウェビナーアーカイブ動画資料がありますので、ご参考ください。

 

直近では、プロトタイプ開発など、DX推進という長い道のりの中の初期フェーズからご支援させていただくためのファーストステップのご支援も可能です。ぜひ概要を閲覧いただければと思います。