はじめに
Oktaでは、Okta Identity Platformという安全安心にアイデンティティ管理を行うことができるプラットフォーム機能群が提供されています。具体的には、以下に列記するように、Okta Identity Platformを構成する要素として以下の6つの機能を提供しています(参考:Okta社ウェブサイト)。
- Directories
- Integrations
- Insights
- Identity Engine
- Workflows
- デバイス
今回は、6つの機能の中でも比較的新しい、2020年3月に開催されたOktane 20で発表され提供されているOktaのWorkflows機能についてご紹介いたします。
このWorkflowsはその名の通り、任意のワークフローをノーコードで組むことができるOktaのEnterprise向け機能で、IFTTTやZapier、MicrosoftのPower AutomateのようにGUIも含めて使える、アンデンティティ管理を中心として管理者が手作業でおこなっていた作業を直感的に自動化することのできる機能です。
この記事では従来なら開発者に依頼しないと難しかったことがWorkflowsなら直感的にできるということを実例をもとにご紹介します。
Workflows機能を使った設定デモ
今回は題材として「Oktaのユーザーがグループに追加されたときに、Slackでグループの管理者に通知する」というワークフローを作ります。
1. 管理画面のメニューから「Workflows console」を選択しWorkflowsへ遷移します。
2.新しいワークフローを作成するために「New Flow」をクリックします。
3.「Add event」をクリックし、 表示された一覧から「Okta」を選びます。
上のスクリーンショットでわかるように、様々なアプリケーションとの接続ができることも合わせてわかるかと思います。
4. ユーザーがグループに追加されたことをワークフローの起点(トリガー)にしたいので「User Added to Group」を選択します。
5.ここから部品を組み合わせてワークフローを作り上げます。
(具体的な設定は以下の動画の通りです)
6.今回の設定シナリオのWorkflows機能内での完成図は以下のようになります。
7. このワークフローを有効にします。
8.これで今回のシナリオの準備が整いました。Oktaの管理画面から、ユーザーを事前に作成しておいた「プロダクト開発チーム」グループにユーザーを追加します。
数秒後にSlackにメッセージが通知されました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?GUIを使って非常に簡単にワークフローが設定できました。
Okta Workflows機能は、以下のような従業員のオンボーディング、オフボーディングなどのライフサイクルに合わせアイデンティティを管理する際に様々な業務効率化のアイデアを簡単に実現することが可能です。
- 新入社員が入ったときにGoogle WorkspaceやBoxやにアカウントを追加したい(オンボーディング)
- 社員が退職したときに紐付けたGoogle WorkspaceやBoxからアカウントを削除したい(オフボーディング)
- 社員が部署異動したときに特定の部署が必要とするサービス(例えばマーケティング部門にはデータ分析ツールなど)を付与し、要らなくなったサービスを停止したい
また、それだけではなく、Okta Workflowsでは顧客アイデンティティ管理(Customer Identity and Access Management, CIAM)の領域においてもパワフルな機能です。考え方としては従業員のオンボーディング、オフボーディングと似ているかと思いますが、以下のようなユースケースが考えられます。
- 新規ユーザが登録されたら、マーケティングオートメーションツールのMarketoに登録し、SendGridのニュースレター購読者に登録する
- ユーザー登録が解除されたら、すべてのサービスへのアクセスを削除する
OktaのWorkflows機能についてはこちらのドキュメント(英語)に詳細にまとまっていますので、具体的に使ってみたいという方は参照されると良いかと思います。また、こちらのブログ記事でご紹介したOktane 21での顧客アイデンティティ管理でのWorkflows機能活用例のデモ動画もご参考になるかと思いますのでぜひご一読ください。
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キャッチ画像は Charles Deluvio on Unsplashを活用させていただきました